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モデリング系プラグインの力を100%発揮させる

先に結論:DAWのサンプリングレートを上げろ。



※この記事は非常に専門的です、趣味でDTMやってる程度の方は上の一文だけで十分です。
趣味でやるならいいですが、音楽制作で金をとるつもりなら、録音される側の楽器奏者としてはこれくらい「音に」こだわってほしいですね。
「曲を録音」だけならだれにでもできます。僕らは「カッコイイ曲を・カッコイイ音で」録音してほしい。
僕らはエンジニアの技術・経験に金を払うんです。



サンプルレートによる「録音する音」への影響は、神経質に気にするほどではない。
しかし、「プラグインが動作するレート」による影響は、それだけでプロとアマを分かつ。



ずっと不思議だったんです。
トップアーティストのミックスに普通に使われてるような「Waves SSL E-Channel」、2Mixでの出音がなんでこんなに鈍いのか。
30kHzまで再生できるMDR-CD900STで聞くと、明らかにある帯域以上が存在しなくなる感覚がありました。
15kHzくらいを発振し、スペクトルアナライザで見れば結果は歴然。(分かると思うけど、こんなの長く耳で聞いちゃいかんよ)

ちなみに、WavesのSSL Channelにサミング効果はありません。デフォで少しコンプがかかってるから変化はありますが、すべてバイパスするとほぼ波形は変化しません(ANALOGスイッチのon,off問わず)。EQカーブなんかを変化させると周波数増幅が出てきますが、いわゆるEQ-Dynamicsセクションのかかり具合やカーブをモデリングしただけで、HeadAMP部(JENSENトランスなど)は再現されていません。
それはWAVES NLSの仕事。







メーカーが、実機の供給元(個人・企業は問わん)にゴーサインを出させたプラグイン、実際使うと明らかに音が鈍ったりする。
それはなぜか。


DAWはデジタルであり、連続量(アナログ)である「音」の一部を切り捨てています。
これは符号化的な意味でもそうですが、周波数的にも同様。
44.1kHzなら記録できるのは20kHz付近……云々という話ですね。

これはDAWへの記録プロセスで、DAWソフトへとAD変換をかけた時点でそれ以上上の帯域のデータは「存在しない」ことになります。
DAWソフト内部での処理も同様、基本的にはプラグイン類もホスト側のレートで動作します、そもそもDAWへ取り込んだ時点でないものはない…ですしね。

一部のプラグインでは30kHzだとかの記録可能帯域より上の周波数をいじるものがあったりしますが、これはシェルビングカーブだったりがメインで、ベルカーブのプラグインというのは見たことがありません。(ハードウェアだと存在する)




UAD2やBrainworx、T-RackS5あたり、「いい音」「天井の高い」プラグインは実在します。
これら(最近)のプラグインは、オーバーサンプリングという技術を取り入れているものが多くなってきています。
これは要するに、例えばホスト側が48kHzで動作している場合でも「プラグイン側としては」96kHz、192kHzといった高いレートで処理をするというもの。

例えば「ハードウェアそのもの」との呼び声高いUAD-2は、ホスト側がどうだろうと常に192kHzで処理を行っています。
精密な計算をそれだけ時間的高密度に行うので当然負荷は上がりますよね、専用DSPを必要とするのもうなずけます。
音がいいプラグインは重い…という定説も意外と根拠があるものなのかもしれません。


ミスチルの例を挙げれば、Avid Blogにインタビューのあるアルバム「REFLECTION」では、レコーディングはマイク・アウトボードそして楽器選択で最終的な曲中での出音を見据えた収録を行い、ミキシングではProToolsにSSL E-Channelをほぼすべてのトラックにインサート、桜井氏のリードボーカルにもCLA-76等WAVESプラグインの使用をしていたとあります。
サンプリングレートは一貫して96kHz。近年のプロ向け市場ではスタンダードなレートです。


リバーブにはUADのプレートを使ったようですが、普通にWAVESプラグインが使用されています。
WAVESの味付けの濃さも、サンプルレートを上げるにつれてあらゆる楽器のあらゆる要素(特にプラグインをかけたもの)がすっきりとしてくるので気にならない塩梅となります。

Youtube等にある「比較動画」でよく感じる、00年代製のWAVESの「天井の低さ」はおそらくこの問題が起因しています。
(SSL.V-Series.API等( ^ω^)・・・肝心なモデリング系ばっかじゃねえか!)



さて、これはあくまで「モデリング系プラグインをいい音で動かす」ための方法です。
現実問題として、家庭用PCベースの音楽制作ではむやみにレートを上げてもいい結果が生まれるとは限りません。
本職はハードウェアやDSPに「処理を外注」できますから、その分DAW本体の再生処理へCPUパワーを割けますし、
そもそもProToolsはレコーダーの代替品でしかなく、プラグインなど差さないこともあります。
高レートでも動作できるプラグインは数が限られてきますし、また、ミックスのまっ最中に
ソフトウェア音源を立ち上げたくなることもあまりありません(笑)

しかし一般Peopleはそういうわけにもいかず、あーだこーだとしているうちにCPUオーバーロードエラーが頭を悩ませるようになります。それに、高レートになるほど瞬間に詰め込める音の量が増大し、ミックスの難易度も上がります。
そんなわけで、制作では88.2kHz~96kHzがスタンダードとするのが結局いいのではないかと。



私は前世紀の、ハードウェアだけでレコーディング・ミックスされた音楽が好きな人間であり、それにこだわりをもっていますから、自己満足的にDAWにほぼほぼモデリング系のプラグインしか使いません。
せいぜいがWaves R-DeEsser、Torque、超細いQのEQ用でPT付属のChannel Strip、くらいのもので、基本的には実在のハードウェアを模したプラグインばかり使います。

僕にとっては出音がすべてであり、「数値でミックスする」というのが逆に理解できません。
ですからコンプのアタック・リリースの数値のセオリーなどまったく覚えていません。
BFD3のスネアを激太くしたいときなら、EQ-PB(API)で180HzをブーストしてからNeve2254でぶったたきます。
デジタルのEQで200Hzをブースト・DAWのコンプで潰してもこの感じは絶対に再現できません。


要は、ほしい音が出るかどうかです。
ですから、僕にとって「プラグインがどれだけハードウェアに近づくか」は非常に重大な問題なのです。


たしかに、1073クローンであるGAP73modの音をWaves、Ikと比べると抜けが違います。一気に主役になる感があります。
しかし、だからと言ってドラムのマルチ録音用に1081と1073、APIを数本ずつそろえることなど(今はまだ)不可能です。
だってまだ十代だもん。

だから、私はとりあえず当座はアナログとデジタルの「Hybrid Mixing」を続けていきます。

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プロフィール

Matsuda

Author:Matsuda
1999年生。

弾ける楽器
バイオリン("元"中部地区1位)・ピアノ/キーボード
ギター・ベース・ドラム

MI Japanに2年、USA Boston留学を経てレコーディング・ミックス・ポストプロダクション等まんべんなく。


ジャンル…いろいろ。jazzからDjentまで。
好きなアーティスト…MAGNETICO/岸田教団/Larry Carlton/Gregole Hillden

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